逸失利益とは
逸失利益って何ですか?
事故によって失明したなどの後遺症のため労働能力が減少し、将来の収入の減少をきたす損害のことです。死亡して収入が得られなくなった場合も同様です。
基本的に事故前に得ていた収入を算定の基礎とします。しかし、事故に遭った若いサラリーマンが今までは給与が月30万円であったけれども、これを逸失利益算定の基礎にして本当によいのかという問題もあります。事故がなければ、このサラリーマンは今月から給与が50万円になっていたかもしれないし、臨時収入があったかもしれません。このように被害者の年齢や学歴、能力によって賃金センサスと呼ばれる平均賃金を算定の基礎とする場合もあります。
また、専業主婦が被害者になった場合にも困難な問題があります。金銭による収入を得ていないのでその仕事をどのように評価するかもはっきりとはしていないからです。
このように人それぞれの事情をどの範囲まで考慮するべきか、その事情を基にして逸失利益をどう算定するかもまた非常に難しい問題となっています。そういうわけですから裁判においてもこの逸失利益が大きな争点になるのです。