異時共同不法行為となる交通事故
異時共同不法行為となる交通事故とはどのような事故でしょうか。
Xさん(40歳・男性)は、休日に釣りに行った帰りに国道を歩いていたところ、近所に住む大学生Yさん(21歳・男性)の自転車に、後ろから追突されてしまいました。大学生Yさんは事故当時飲み会に遅れそうであったために急いでおり、スピードが出ていたのでXさんは通院が必要なほどの怪我を右足に負ってしまいました。Xさんはその後右足の治療のために通院していましたが、ある日病院に向かう途中に、携帯電話を気にしながら自転車をこいでいた公務員Zさん(29歳・女性)に接触し、同じ右足をさらに痛めてしまいました。
このような場合が、異時共同不法行為です。通常の共同不法行為であれば、YさんとZさんは連帯して責任を負いますが、異時共同不法行為ではそのようなことはありません。そこで、通常の共同不法行為のように、どちらに請求してもよいということにはなりません。二回目の事故の時点で一回目の事故の加害者からの賠償は打ち切られ、その後の賠償は二回目の事故の加害者が引き継ぐことになります。しかし、後遺障害部分については、通常の共同不法行為と同様に、一回目の加害者二回目の加害者両方の自賠責保険へ請求可能です。