過失責任の原則
過失責任の原則とは何なのでしょうか?
過失責任の原則とは、どういうことなのでしょうか? 交通事故に関するHow to本などをお読みになって、いきなり過失責任の原則という言葉が出てきたことに戸惑う方もいらっしゃることでしょう。ここでは、過失責任の原則について、相談例を用いながら簡単に説明いたします。
私(A)は、日曜日の朝にパチンコ店に向かう途中、いきなり飛び出してきたバイクに身体が当たり、軽く打ち身をしたほか、先日にパチンコで勝ち購入したばかりの時計を壊されてしまいました。バイクの運転手Bは、自分には過失がないといいます。私はお金を払ってもらえるのでしょうか?
過失責任の原則によると…
過失責任の原則とは、「みずからの行動について過失のない者は、みずからの行動により生じた結果について責任を負わなくてよい」との原則です。この原則がなければ、そもそも行動の自由などあったものではありません。非常に大事な概念です。
では、上のケースでBに過失はあるのでしょうか?
過失が認められれば、不法行為責任により損害賠償を請求できる可能性があります。過失は、日常用語では「落ち度」「不注意」「ミス」などを意味しますが、法律用語としては、「結果発生の予見可能性がありながら、結果の発生を回避するために必要とされる措置を講じなかったこと(結果回避義務違反)」という意味があります。
上の例では、急に飛び出してきたという事情から、一時停止もしくは徐行をしなくては結果発生の危険があるのに、それを回避しようとしなかった可能性があり、過失が認められそうです。
しかし、ご自身が実際に遭遇された事件に関しては、専門家である弁護士にご相談ください。