右折車と直進車による交通事故
交通事故に巻き込まれてしまったら、損害賠償を請求できる可能性があります。自分、あるいは相手方が100%悪い場合などを除いて、通常の交通事故は、どちらにも悪い部分があることが多くなっています。どちらがどのぐらい悪いか、ということを過失割合といいます。
この過失割合が損害賠償額を算定する際にも重要になってきます。例えば、AとBの過失割合が60対40であれば(Aが60%悪い、Bが40%悪い)、AはBの損害の60%分の損害賠償をすることになるわけです。
このように、相手の悪い分については、減額した上で損害賠償することを、過失相殺といいます。過失割合は、過去に蓄積された裁判例などによって判断されることが多くなっています。交通事故でよくある、右折車と直進車の事故について、大阪地方裁判所の裁判例をご紹介しましょう。
大阪地判S63.10.6交通民21.5.1024
「交通整理の行われている見通しの良い交差点で、対向車両の有無の確認を怠ったうえ、交差点を早回りで被害車(普通乗用自動車)の前方直近を右折しようとした加害車(普通乗用自動車)と直進の被害車とが衝突した事故につき、加害車の動静に注意を払わず、制限時速を約10Km超過する時速約40Kmで直進し、加害車を認めた後も衝突を回避する措置を取らず、衝突の際の衝撃によりアクセルペダルを踏んで被害の拡大を招いた被害車運転者に、30%の過失相殺」を認めた事例。
過失割合は、実際の交通事故の状況によって修正要素を加味して決めますので、自分の事故の過失割合が分からない場合、保険会社の提示する過失割合に納得ができない場合などは弁護士に相談するようにしてください。