不法行為責任~因果関係の意味~
不法行為における因果関係の意味とは?
不法行為を理由とする損害賠償請求が認められるためには、加害行為と発生した損害との間に因果関係が存在しなければなりません。因果関係が存在すると認められるためには、少なくとも、事実上、被害者に生じた損害が加害行為の結果であるという関係があるといえなければなりません。
しかも、このような事実的因果関係とは、被害者に生じた損害が加害行為により生じたものであることであり、加害者に対し損害賠償請求をする被害者の側がこれについて主張・立証責任を負うとされています。この意味では、被害者に負担がかかっているといえます。では、因果関係の証明度という意味では、裁判所は、どの程度の証明がされれば、「加害行為と結果との間に因果関係がある」と判断・認定してくれるのでしょうか。これについては、「高度の蓋然性」で足りるとされています。その意味は、通常人が疑いをさしはさまない程度に真実だと確信をもちうるものである、ということです。
さらに、実務では、ここまで述べてきた事実的因果関係に加えて、その行為が結果発生にとって相当性を有することが必要とされています。これば、公平な損害の分担を趣旨とするものです。