交通事故と責任能力~民法709条を中心に~

交通事故の被害者が、加害者に対し、民法709条に基づき不法行為を理由として損害賠償請求をすることは決して珍しいことではありません。ここでは、不法行為を理由として損害賠償請求がなされた際に、加害者側が「私は不法行為(交通事故)の当時、責任能力がなかった(のだから、不法行為責任に問われない)」との抗弁を主張してきた場合を考えてみましょう。

責任能力とは、どのような能力のことをいうのでしょうか

どうにも聞きなれない単語かと思いますが、責任能力とは、どのような能力のことをいうのでしょうか。民法712条には、「自己の行為の責任を弁識するに足りる知能」、713条には「自己の行為の責任を弁識する能力」と書かれています。責任能力とは、法の命令・禁止を理解できない人間を損害賠償責任から解放することによって保護しようとする政策的価値判断によって立てられた概念ですから、保護されるかどうかを判断するための知的・精神的能力としてとらえられます。ということで、要するに責任能力とは「自己の行為の是非を判断できるだけの知能」と定義できましょう。これは個々の具体的行為者の能力を基準に判断されます。つまり、個別具体的なケースを見てみなければ、法的な判断が下せないということです。それでも、一応の目安としては、小学校を卒業すればある程度自己の行為の是非―やっていいことと悪いこと―は判断できるだろうということで、12歳程度の知能がボーダーラインになると説明される場合が多いです。

 

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平間弁護士からのメッセージ

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