旅行先の京都で交通事故に遭ったら…?
交通事故に遭ってしまったら、慰謝料請求のために相手方と示談交渉をしなければなりません。一度示談が成立すると、慰謝料の額が決定してしまうため、示談の成立には慎重にならなければ、交通事故被害者の納得のいく額の慰謝料を請求することはできません。今回は、このような交通事故の示談について、事例をもとに説明します。
・事例
東京在住のAさんは、旅行先の京都で交通事故に遭い、通院を余儀なくされてしまいました。Aさんは、交通事故の相手方であるBさん(京都在住)に対して慰謝料を請求するため示談交渉をすることになりましたが、各当事者の住所が東京と京都という離れた場所であるため、手続きが煩雑になるだろうと思い、素早く示談を成立させるつもりでいます。
・検討
Aさんは、急いで示談を成立させて良いのでしょうか?答えはノーです。示談が成立してしまうと、例えば後から後遺障害が発覚した場合なども、それについての慰謝料請求が難しくなります。交渉の相手方は多くの場合保険会社ですが、保険会社は示談交渉のプロですので、被害者側に不利な条件での示談成立を急かしてくるかもしれません。被害者の方には、弁護士の力を借りつつ、しっかり腰をすえて交渉に臨むことをお勧めします。